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リノベしよう! ~Re:BORN cube リノベーションブログ~

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2016年 10月 10日

『既存建物の趣を活かしたローコスト京町家宿(ゲストハウス)リノベ』

おはようございます!

またまたブログがご無沙汰してしまってましたが、その間も変わらず

コツコツとやっておりました。

ブログを更新してなかった1ヶ月ほどの間にいろいろありましたが、

何といっても特筆すべきは、京都市内でゲストハウスをされたい方の

お問い合わせが増えたことです。

ここに来て急増しているように感じられます。

ゲストハウス向きの物件購入からのご相談や、すでに所有されている物件を

リノベーションしてゲストハウスを運営されたい方など様々です。

また物件購入からお考えの方は、なかなか条件に見合うよい物件がなく、

品薄状態といったところです。

その理由は、用途地域の問題などから、適用区域外という物件が大きな要因です。

もちろん許可を取らずに運営するのであれば、勝手にできますが(現在京都市内で

運営されているゲストハウスは、未許可のモノが7~8割あると言われております。)

これから運営される方は100%許可を取得し、合法的に運営されますので、

許可の取れる立地での物件確保が非常に厳しい状況になっております。


・・・ということで、ゲストハウスの近況報告を兼ねて、ブームとも呼べるような

状態になっておりますが、オリンピックを控え、京都という立地から考えても

仕方ないことかも知れませんね。

そして今日の本題は、まさにそのゲストハウスをリノベーションさせていただいている

物件のお話です。

ゲストハウスを運営されるお施主様よりのご依頼でリノベーションをさせて

いただいております。

タイトルにもある通り、既存建物が京町家の趣が色濃く残る味のある建物です。

なので、そのような建物だからこそ、お施主様もゲストハウス運営しようと

決断されて、リボーンキューブにご依頼いただきました。


それでは、いつものようにビフォア写真を追って、お伝え致しますので

早速いってみましょう!

ではまずはこちらの写真からになります。
『既存建物の趣を活かしたローコスト京町家宿(ゲストハウス)リノベ』_e0052882_14525212.jpg




まずは、ご覧の写真の通り、町家と言えば「通り庭」と言っても過言ではありませんね。

この様に、玄関から奥まで土間になっており、そのあいだに台所がある状態を言います。

そしてその台所の上部は「火袋」と言って吹き抜けになってます。

これが基本的な町家のスタイルです。

この建物もその状態が残されたままになっている数少ない建物だと思います。
『既存建物の趣を活かしたローコスト京町家宿(ゲストハウス)リノベ』_e0052882_14530518.jpg
そして次は、水回りから説明します。

こちらも写真をご覧いただくとお解かりいただける通り、木製の建具で

そして洗面台もタイルで作ったなんとも味のある造りになってます。

床もレトロなタイル貼りで懐かしい感じがしますね。
『既存建物の趣を活かしたローコスト京町家宿(ゲストハウス)リノベ』_e0052882_14531151.jpg
そして、次は洗面奥の浴室になります。

こちらはステンレス浴槽が設置されており、少し改装されてますが

懐かしい趣の残ったお風呂って感じがします。
『既存建物の趣を活かしたローコスト京町家宿(ゲストハウス)リノベ』_e0052882_14531643.jpg
そして水回り最後にご紹介するトイレになります。

元々は和式便器だったでしょうところが、改装されて洋便器になってますが、

床と壁面がタイル貼りでレトロな雰囲気が残ってますね。
『既存建物の趣を活かしたローコスト京町家宿(ゲストハウス)リノベ』_e0052882_14541293.jpg
そして次は室内になります。

1階部分で、奥の間から玄関方向を撮った写真になります。

町家独特の続き間の和室です。

ガラス引き戸が昭和な感じがして懐かしいです。
『既存建物の趣を活かしたローコスト京町家宿(ゲストハウス)リノベ』_e0052882_14533193.jpg
そしてこちらは先程の反対側から撮った写真になります。

この続き間のあいだにある建具を取ると一部屋としても使える作りです。

写真の右手側が階段で左手側が台所になります。
『既存建物の趣を活かしたローコスト京町家宿(ゲストハウス)リノベ』_e0052882_14534054.jpg
そしてこちらも同じく1階奥の部屋から撮った写真になります。

この様に京都の町家はウナギの寝床で、窓がないため暗い部屋になってしまいますので

1階の真ん中の部屋は一日中電気をつけておかないと真っ暗になります。

なので、部屋と部屋のあいだに中庭を設けて光が入るように工夫したりされてます。
『既存建物の趣を活かしたローコスト京町家宿(ゲストハウス)リノベ』_e0052882_14535127.jpg
そして一番奥の部屋から庭の方向を撮った写真になります。

こちらは吊床があり、和室らしい面影が残ってますね。

非常に町家らしい造りの和室という感じです。
                     
『既存建物の趣を活かしたローコスト京町家宿(ゲストハウス)リノベ』_e0052882_14540127.jpg
そして「隠し階段」です。

この写真のような場所に階段があるため、引き戸を閉めると階段が隠れて

押入れにしか見えないため、どこに階段があるのか解らない状態になります。

これも町家らしい設えです。
『既存建物の趣を活かしたローコスト京町家宿(ゲストハウス)リノベ』_e0052882_14543127.jpg
そして2階部分になります。

写真の奥の窓から「火袋」である吹き抜けが望めるため1階の台所が見下ろせます。

そして2階は全体的に天井がかなり低めです。
『既存建物の趣を活かしたローコスト京町家宿(ゲストハウス)リノベ』_e0052882_14542361.jpg
そして最後は同じく2階の写真になります。

丸太の梁が見えており、屋根勾配いっぱいいっぱいに天井が取ってありますが、

それでもかなり天井が低い状態です。

窓側に行くにつれて屈まないといけない状態です。

このような建て方は、よく町家を表から見ると、窓はあるけれど2階がほとんどない状態に

見えるような建物がありますが、あの町家を中から見るとこのような状態になってます。

なので部屋としては使いにくいですね。


以上のようなビフォア状態です。

少しだけ町家の解説をしながらお伝えしました。

そして今回この京町家をコストをできるだけ抑え、その分既存をうまく活かし、

リノベーションします。

さてさてどの様に出来上がるかは、しばしお待ち下さいませ。

既存を活かしながらも、リボーンキューブらしい設えの空間に

仕上がること間違いなしですよ。


それでは今日はこの辺で。

ではまた。

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by reborncube | 2016-10-10 11:18 | 千松庵


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